在来大豆(ざいらいだいず)
- 竜二 藤原
- 6月9日
- 読了時間: 4分
在来大豆をご存じですか?

日本各地域において先祖代々受け継がれてきた品種改良などされていない大豆のことを
在来大豆と言います
先祖代々受け継がれるだけあって、その地域の気候風土に適した大豆で、とにかく美味しい品種が数多くあります
日本全土で300種類ほどあると言われているこの在来大豆ですが、農業も機械化が進んだ現代においては在来大豆は減少していっているそうです
美味しくて気候風土には適していても、さやが根っこの近くまでつくような品種は機械で刈り取るのが難しく、農家さんに嫌煙されてしまいます
また品種改良によって病害虫に強い品種にとってかわられたり、より収量の多い品種に替えられたりということで消えてなくなってしまった品種もあるのかも知れません・・
当店では、大手製造メーカーと差別化するためにこの在来大豆というものを活用しています
まず、メインで使っている大豆は「ミヤギシロメ」という在来大豆
お隣、岩沼市が発祥の在来大豆で芽の部分が白いため「ミヤギシロメ」と命名された大豆で
たんぱく質が豊富で豆腐に作りやすく、後味のスッキリとした上品な甘みが特徴のメッチャ美味しい大豆です
地元にこのような在来大豆があるだけで、僕は幸せな豆腐屋と言っても過言ではないでしょう♪
素晴らしいのは、機械適正もよくて、収量も豊富、さらに病害虫にも強いといいとこだらけ!
晩生の黄大豆(ほぼ白大豆と言ってもいいくらい)
他に当店で使っている在来大豆は4種類
・「七里豆」:福島県二本松近辺の在来大豆。大豆を炒ると七里(36km)先まで香りがとどくと言われる、香り高い大豆。薄緑色
甘みが強くて美味しい大豆です
・「香り豆」:福島県二本松近辺の在来大豆。大豆の花が咲くころになると、圃場一面が枝豆の香りに包まれる香り高い大豆。薄緑色
甘みが強くて美味しい大豆です。七里豆ととても良く似ており、同系統の大豆かと思われます
・「借金なし」:埼玉県秩父地方の在来大豆。収量が多く取れることから、植えると借金がなくなるくらい収穫できるという事から「借金なし」という名前が付いた大豆。一時期、作付けされることが無くなり、絶滅寸前にまでなったが
ある関東の豆腐屋さんがこんな素晴らしい大豆を無くならせてはいけない!と奮起し、復活させてくれたそうです。
たぶん機械適正が悪いのか?復活した今でもあまり市場に出回らない希少な品種。
メッチャ美味しい大豆です。黄大豆(2025年店主イチオシ)
来年以降、当店で仕入れることが出来るかは未定です💦
・「だだちゃ豆」:荘内地方で栽培されているブランド枝豆品種(庄内6号)。独特の風味と甘みの旨い大豆。仙台の農家さんに頼んで作ってもらっていましたが・・
早生品種のため、大豆にするのが難しく・・(秋の長雨で腐ってしまうことが多々・・)農家さんと相談して作付けをやめました💦
たぶん2025年中に使い終わったら、当店では終売になる品種です
ちなみに庄内地方では枝豆で全部収穫するため大豆では流通していません
種豆は北海道で作っているそうです。
庄内地方の豆腐屋さんに茶豆で豆腐を造っている話をしたらめっちゃ驚かれました(笑)
茶豆。
ちなみに、よく勘違いされる方が多いのですが当店でもいっぱい使っている「秘伝豆」は在来品種ではありません
岩手県の種屋さんが交配させて作っている交配種になります
枝豆で食べてもメッチャ美味しい大豆で、東北地方で多く栽培されています
山形県の秘伝豆が有名ですが、おとなり角田市でも特産品として力を入れている品種です
豆腐にしてもとても美味しいのですが、収穫時期が少し遅れると色が薄くなってしまいます
。青豆大豆
他にも日本中にたくさんある在来大豆ですが
これ以上、種類が減ることが無いように、未来に繋いでいくお手伝いが少しでも出来たらと思っています
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